Travel diary Artist-in-residence

Anagama de BIZEN 13

5月29日 雨

長い一日
フランスは梅雨のようにいつも雨です。ほぼ異常気象状態らしいですが。

今日は、松尾親方が帰っていく日です、的野さんと、私は、パリへお見送りです。
バスの運転手をしていたといわれていましたが、大工仕事もなんでもサラサラとこなせるし
ツルハシを持っても、腰が決まっているという親方さんです。
この方がいなかったら、窯の上屋がこのスピードで絶対にできていないです。
それだけでなく、料理も何でも自分でできてしまうすごい人です。
このグループでは一番の年上の68歳でお父さん的な存在でした。
松尾さんは、スーツケースの中にパンを沢山詰めて。帰り際にみんなに一言
「この旅で、新しく自分の仕事以外の友達を作ること、
そして、ここで覚えた料理を一品岡山に帰って奥さんに作ること。」
という人生を楽しくしてくれる一言を残してしてくれました。
年をとってこんな一言を後輩に言えるようになりたいです。

パリに着いてからは、7月末からお世話になるギャラリー早崎さんと打ち合わせ、
旦那さまがフランスの方である早崎さんは、大都会パリに住んでいるけど、
柔らかい日本的な雰囲気をまとったマダムです。
ギャラリーの建物は17世紀に作られたそうです。地下一階にある陶芸教室に案内していただきました。
生徒さんに何名かとご挨拶。早崎さんの説明によると、
ギャラリーの建物はさらに地下があり地下二階は、もうかたずける気にもなれない瓦礫で埋まっていて、
さらに下の地下3階は船が通れるくらいの昔の下水道がながれているそうです。
戦争の時のレジスタンスはそこに、鉄砲を隠したりと色々と使っていたそうで、
感覚的には今でも何かが住んでてもおかしくないので、ちょっと怖い地下への入り口といった話をされていました。
家の中に異界への入り口!いいSF小説が始まりそうなギャラリーです。

松尾さんはぽつりと、「こんな静かできれいな所に住みたいな~」と言いながら
ギャラリーの隣のお店できれいな帽子を売っているお店を写真に納めていました。
ちゃっかりと、帽子だけでなく、美人帽子作家さんとも一緒に写真を撮るあたり、
見習わなければ、その行動力といった感じです。
そんなチャーミングな松尾さんをお見送りでシャルルドゴールへ
無事に日本に着きますように。

この日の夜は、ル・ソレリスというフレンチで赤木先生夫妻と友達の友達のしおりさんとの食事会でした。
70オーバーの赤木先生はすごく元気で、圧倒されました。
フランスにて、仕事をされて生活されているということは大変な事と思いますが、微塵も感じさせない方でした。
せっかくだから協力しないとねと言っていただきました。
備前焼をどうパリの人に理解してもらうかということなど、ぼくらが聞きたかった事について
色々とパリに住んでいることで見えてくることを、教えていただきました。

料理は全部すごくおいしくてアスパラガスのホワイトソースと鳩とオレンジとジュレとアイスをいただきました。
鳩の肉には、薄くて柔らかい一かけらがあり、たまに見つけられなくて残す人がいるらしいです。
そこの部位の事を”馬鹿者は残す”というらしいのですが、これがこのレストランの店名らしいです。
私はは馬鹿者なので、見つけられなくてしおりさんのプレートから一かけら分けていただき、
おいしくいただきました。どうせぼくは馬鹿者です。
オサレでエスプリを感じる店名です。料理人ならわかる言葉らしいです。
魚のほっぺたのおいしいお肉みたいな感じでしょうかね。

もっとお話を伺いたかったですが、12時も過ぎたので的野さんと駅近くのホテルへ。

明日は朝早くに起きてプリニーに戻ります。

沢山の方々に応援していただいているのを感じます、いい形で終われますように。

 

○オススメなお店。

LE SOT L'Y LAISSE
70 Rue Alexandre Dumas 75011 Paris
Tel:01 40 09 79 20
メトロ :アレクサンドル・デュマ

できて一年目になる日本人夫婦の経営するお店で、今回も予約で席は埋まっていたので
予約をした方が無難だと思います。

-Travel diary, Artist-in-residence

© 2021 森大雅 all rights reserved.